大阪府立高津高等学校
実施概要
実施校 | 大阪府立高津高等学校 |
---|---|
担当者 | 校長 木村 智彦 |
対象 | 1年生 (320名) |
実施日 | 平成16年7月16日(金) |
内容 | 職業人育成のための職業人による懇談会 |
ねらい | 各界で活躍する社会人(現役・OB)の生き方、あるいは実体験に則した話に直接触れることによって、生徒自らが自分たちの将来・進路について真剣に考える場を提供する。 |
提供企業・団体 | NPO大阪活性化推進総研(以下:ODI) |
授業場所 | 同高等学校 |
授業までの流れ
- 5月18日
- 打合せ(1)
内容:講演内容・日程調整 - 6月1日
- 7月16日「進路週間」に決定
- 6月25日
- 打合せ(2)
内容:当日詳細等 - 7月16日
- 実施
※授業終了後、学校・生徒・受入講師よりそれぞれアンケート回収し終了
実施カリキュラム
*8分野ごと教室に分かれ、生徒自身が関心のある分野に参加する。各分野の現役・OBの社会人講師が職業観あるいは社会や企業がどのような人材を求めているかについて講演し生徒たちと意見交換を行う。
分野 | 氏名 | 職歴 | 参加人数 |
---|---|---|---|
弱電・エレクトロニクス | 川又 肇 | 前(社)電子情報技術産業協会関西支部事務局長 工学博士、元松下電器産業(株)材料開発研究所所長 |
31名 |
商社・流通 | 土谷 逸郎 | (株)ポスコインターナショナルオオサカ社長室付部長 元シンガポール丸紅(株)副社長 |
42名 |
金融 | 冨山 晃伸 | エイチ・エス証券(株)大阪支店長 | 30名 |
マスコミ | 川瀬 龍男 | 毎日新聞大阪本社編集局長 | 42名 |
サービス産業 | 口野 繁 | 南海電気鉄道(株)電鉄営業本部施設部長 | 28名 |
製造業 | 河合 清司 | サクラクレパス・大阪モール(株)取締役工場長 工学博士、元住友化学工業(株)研究所 |
23名 |
建設業 | 吉永 深 | (株)竹中工務店顧問 | 21名 |
公務員 | 池川 哲彦 | 大阪府人事委員会事務局次長任用審査課長 | 103名 |
(敬称略)
授業評価
生徒
授業から得たもの
弱電:
- 理科や数学の大切さがよくわかった。
- 技術者には多方面の力が必要だと聞きくじけそうになったが、講師の熱のこもった話を聞いていると力がわいてきた。
- アジア、世界の中での日本の位置が理解できた。
- 社会の動きの速さに驚いた。
- 「どれにしようかではなく、なりたいものになろう」という言葉にとても感動した。
商社:
- 流通のしくみがよくわかった。
- 海外とのやり取りもあり、興味深かったが難しい仕事だと思った。
- 仕事をしていく中で、信用、信頼が大切だということがわかった。
- まだ、どのような仕事に就くかわからないが、今日のことを活かせる仕事に就きたい。
- 中学校の授業で流通について学んだが、今日の話はまた違いとても楽しかった。
- 英語は苦手だが、もっとがんばって克服しなければと思った。
金融:
- 大金が動くおもしろさと怖さがよくわかった。
- 将来の夢の選択肢が増えたように思う。
- 自分の予想していた世界と大きなギャップがあった。
- 英語・国語・数学全てが必要なのだとわかった。
マスコミ:
- 新聞記者という仕事の大変さがよくわかった。
- 今回の講演を聞いて記者の方の責任、仕事に対する誇り、熱意など少し学ぶことができた。
- やりがいのある仕事だと思った。
- これからもっと新聞を読んでみようと思った。
サービス産業:
- 鉄道を通してサービス産業のことが理解できた。
- 将来のことを考えることができた。
- サービスのあり方についてもっと勉強するべきだと思った。
製造業:
- 仕事とは情熱が大切で、よい大学へ行くことより、やりたい仕事をさがしていこうと思った。
- 1つの製品にいろいろな技術がつまっていることに驚いた。
- ものづくりをする人の真面目さが伝わった。
- ぜったい、続けられる仕事を探したいと実感した。
- 父も製造業をしているので今日の話をしてあげたいと思う。
- 「社会に出るということは海に出るということ」という言葉が、心に残った。
建設:
- 体験談を聞けて建設業というだけでなく人生感も教えてもらった気がする。
- 建設という仕事は、危険な分やりがいもあるし、経済を保っていく中で、とても重要な仕事だとわかった。
- 私は、将来建築の仕事に就きたいと考えているので、とても参考になった。
- 建設の話だけでなく、「思いやり」や、「諦めないこと」の大切さを学んだ。
- 自分の仕事に責任を持ち、命をかけているすごさを感じた。自分にあった職業をみつけたい。
公務員:
- たくさんの人が公務員として働いていることがわかった。
- これから広い視野をもって勉強していこうと思った。
- 将来公務員がいいとなんとなくで選んでいたが、話を聞いて価値観が変わった。これからの2年間でよく考えたい。
- 社会にでれば人間関係は大切にポリシーをもって接していくことが大切だと気付いた。
商社・流通について・・・
教師
8分野の各教師からのアンケートより
今回の講演が生徒の役にたったと思いますか。
はい・・・100% いいえ・・・0% わからない・・・0%
次年度もこの企画をするとすれば賛成ですか。
はい・・・75% いいえ・・・0% わからない・・・15%
教員の全体的な印象・感想・要望等
弱電:
- 将来の社会人としての姿から、現在、生徒たちが何を考え、何をすべきかの指針を与えてくれた。
- 日本が世界に伍していける分野について詳しく話してもらえてよかった。
商社:
- 国語力・人間として魅力を持つことの大切さを、日頃とは違う角度から話してもらえてよかった。
- 社会のことをまだよくわかっていない生徒には、少し難しいところもあったかもしれないが、とても面白い内容であった。
金融:
- 講師の個人的な体験を交えて、生徒が関心を持つよう工夫されていて、とても面白かった。
マスコミ:
- 取材の喜び、問題点などの話も聞いてみたい。
サービス産業:
- 南海鉄道の方であったが、南海のことだけではなく、サービスについて多方面にわたっての説明でとてもよかった。
製造業:
- 「ものづくり」をする人々の、真面目さ、情熱を丁寧に語っていただき、その真摯な態度に感激した。
- 専門的な話をしながらも、「就職とは」という皆の将来を案じた社会人先輩としてのアドバイスを随時盛り込みながら、一生懸命語りかけてもらいとてもよい講演だった。
公務員:
- 各業種の現場の人の話を聞くのは、生徒にはとてもプラスになった。
サービス業とは・・・
社会人講師
生徒の反応、特に興味・関心を示した内容
- 実体験の話になると、興味を示しだした(ヤフーに投資をした人の利益・鉄道・佐世保毎日新聞支局長の事件など)
- 将来のパソコン・携帯電話の姿
- 業界の求める人材
今後の留意点と課題
- 生徒が興味をもっているテーマを選ぶことが大切である。
- 一方的に話さず、生徒の意見を聞き、参加させることが大切。
- 受講生のプロフィール・将来の夢・趣味などのデータを事前に知ってから授業をしたい。
- 「公務員」という広い課題であったのでもう少し焦点をしぼったほうがよかったように思う。
- 多くの情報をもつ生徒たちが、自己をみつめ、自主的に勉学に勤しみ、職業を選択するよう導くには学科教育での実験、そして体験の場づくりが望まれる。
全体的な印象・感想等
- 現在の日本は教育改革が、最重要だと感じさせられた。
- 質問・意見が少なかったのが残念。
- 良い企画だと思うので、対象高校も拡げてほしい。
- 新聞を読まない生徒(家庭)が多い。
製造業についての講義