東大阪市立高井田中学校
実施概要
実施校 | 東大阪市立高井田西小学校 |
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担当者 | 校長 佐々木正男 |
対象 | 1年生 (90名) |
実施日 | 平成16年11月17日(水) |
内容 | 大工の技と心 |
ねらい | 大工の技術や道具を通じて日本の伝統と職人の技に触れ、モノづくりの技術と精神を学ぶ。 |
提供企業・団体 | 株式会社竹中工務店 |
授業場所 | 同中学校 技術室・図書室・コンピューター室 |

授業までの流れ
- 6月9日
- 東大阪市立高井田中学校へ連絡
文化祭終了後の10月~11月上旬に実施希望 - 7月7日
- 打合せ(1)<学校担当者・竹中大工道具館館長・事務局>
内容:授業内容、当日の段取り、教室の下見等 - 8月9日
- 開催日決定
- 10月6日
- 打合せ(2)<学校担当者・竹中大工道具館館長・事務局>
内容:上記内容を再確認 - 11月18日
- 実施
※授業終了後、学校・生徒・受入講師よりそれぞれアンケート回収し終了
実施カリキュラム
*30名ずつ3組に分かれ各教室に移動し、それぞれの授業を受ける
教室 | 技術室 | 図書室 | コンピューター室 |
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内容 | 実演 | ビデオ | 講義 |
4限(12:25~13:15) | 2組 | 3組 | 1組 |
5限(13:25~14:15) | 3組 | 1組 | 2組 |
6限(14:25~15:15) | 1組 | 2組 | 3組 |
内容 | 目標 | 時間配分 |
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西田棟梁による実演 | 実演を通して鉋・鋸の使い方を理解する。 | 10分 |
生徒による実技・質疑応答 | 鉋(日本・ヨーロッパ)を使って各自削ってみる。鉋の調節にも挑戦する。 | 30分 |
内容 | 目標 | 時間配分 |
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講師 自己紹介 | 2分 | |
「技と心」のビデオ上映 | 日本の大工道具の伝統を知る。 | 20分 |
日本と海外の道具の違い | デザインなどの違いも含めて、日本と海外の大工道具の違いを知る。 | 7分 |
「削る」ビデオ上映 | 職人の技を認識する。 | 6分 |
まとめ 質疑応答 | 5分 |
内容 | 目標 | 時間配分 |
---|---|---|
講師 自己紹介 | 2分 | |
竹中大工道具館紹介 | 竹中大工道具館を知る。 「技と心」のビデオで大工・鍛冶の技と精神を理解する。 |
3分 |
道具の種類 | 生徒に知っている大工道具をあげてもらい、生徒の知識の現状を確認する。 | 5分 |
道具の歴史 | 原始から現代まで、時代に合わせてつくられた建造物と照合しながら道具を理解する。 | 10分 |
現在の建築について | 現在の建築の状況を知る。 | 5分 |
手仕事について | 手仕事を理解する。 「技と心」を伝える。 |
10分 |
まとめ・質疑応答 | 5分 |
授業評価
生徒
授業から得たもの
- いろいろな道具があることを知るとともに、鉋でも日本と外国の違いがあることがわかった。
- 体験できたことで鉋や大工という仕事に興味がわいた。
- 家に帰って、家族にもらった鉋くずを見せたい。家族に自慢したい。
- 初めは大工って「かっこ悪い」と思っていたけど、今日ビデオを見たり実習したりして、「かっこいい」と思った。
授業に対する感想
- こういう授業は初めてだったけれど、また体験してみたい。
- 専門用語がわかりにくかった。
- 棟梁の日本一薄い10ミクロンの鉋くずを見てすごいなと思った。とてもいい香がした。

棟梁によるヨーロッパの鉋削りの実演
教師
講師招聘のねらいと得られた効果
ねらい:
- モノづくりの大切さを感じさせ、プロの道具を使用しその技に触れる。
効果:
- 技術科の実習では触れることができない道具を使い、手入れの行き届かない道具と、プロの道具との切れ味違いに感動させられた
生徒が特に興味・関心を示した内容
- 棟梁の実演での鉋くずの薄さに関心を示していた。
教員の全体的な印象・感想・要望等
- 今回はじめての取り組みであったが、特に実演・実習は参考になった。
- 生徒は講義を聞くことが苦手な場合が多く、講義時動画などを取り入れてもらえればありがたい。

大工さんの手を借りて鉋削り初体験
社会人講師
生徒の反応、特に興味・関心を示した内容
- 大工道具館の紹介ビデオ(10分)は集中して見ることができていたが、講義は少し難しいように見えた。
今後の留意点と課題
- 学年によって理解できる点や興味が違うので、一方的に教えることのないよう、事前にアンケートを実施するなどリサーチが必要かもしれない。講義時に使用する画像など、ソフト制作面でも生徒の関心を高め理解度を深める工夫をしていきたい。
- 実技・ビデオ・講義で計3時間は少し長いように感じられた。生徒の集中力を保つために時間配分の見直しが必要。
全体的な印象・感想等
- 大工道具は、話で聞くのではなく、実際に触って体験することが一番の勉強ではないかと思う。他校でも実技が一番興味を示した。
- 礼儀正しい授業態度で、うれしかった。

大工道具の歴史を学ぶ