大阪府立泉南高等学校
実施概要
実施校 | 大阪府立泉南高等学校 |
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担当者 | 美術科教諭 大島 救喜 |
対象 | 美術コース (35名) その他希望者(18名) |
実施日 | 平成16年11月10日(水) |
内容 | 大工の技と心 |
ねらい | 大工の技術や道具を通じて日本の伝統と職人の技に触れ、モノづくりの技術と精神を学ぶ。 |
提供企業・団体 | 株式会社竹中工務店 |
授業場所 | 同高等学校 美術室 |

授業までの流れ
- 6月17日
- 大阪府立泉南高等学校へ連絡
11月頃に実施希望 - 7月23日
- 打合せ(1) <学校担当者・竹中大工道具館館長・事務局>
内容:授業内容・日程調整 - 8月9日
- 開催日11月10日に決定
- 10月14日
- 打合せ(2) <学校担当者・竹中大工道具館館長・事務局>
内容:上記内容を再確認 - 11月10日
- 「大工の技と心」実施
※授業終了後、学校・生徒・受入講師よりそれぞれアンケート回収し終了
実施カリキュラム
時間 | 項目 | 内容 |
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5限(13:20~14:10) | 講師 自己紹介 竹中大工道具館紹介 講義 |
竹中大工道具館を知る。 「技と心」のビデオで大工・鍛冶の技と精神を理解する。 |
道具の歴史 | 原始から現代まで時代に合わせてつくられた建造物と照合しながら道具を理解する。 | |
6限(14:10~15:15) | 西田棟梁による実演 | 鉋・鋸の実演を通して使い方を理解する |
日本と海外の道具の違い | デザイン・使い方の違いの説明 日本の大工技術の素晴らしさを理解しする。 |
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生徒による実技・質疑応答 | 実際に鉋(日本・ヨーロッパ)を使って各自削ってみる。鉋の調節にも挑戦する。 | |
放課後(15:15~17:15) | 西田棟梁による実演 | 鉋・鋸の実演を通して使い方を理解する。 |
日本と海外の道具の違い | デザイン・使い方の違いの説明 日本の大工技術の素晴らしさを理解しする。 |
授業評価
生徒
授業から得たもの
- 女性の大工さんがいて驚いた。いろんな夢をもてることがわかった。
- 日本以外にも鉋があることを初めて知った。
- 大工という仕事には非常に長い歴史があることを知った。特に日本の工具の発達には驚いた。世界に誇ることのできる立派な文化だと思う。
- 手に職をもつことの難しさと素晴らしさを再認識できた。
- 学校の鉋と大工さんの鉋の違いをみて、道具の手入れの大切さを知った。
- プロの技を目の前で見ることができてよかった。同じ道具を使わせて(さわらせて)いただいて、うれしかった。
- 技術の高さや意識の高さに感嘆した。目が覚める思いとはこのことだと感じた。非常に高い理想を持つことの大切さを再確認した。
授業に対する感想
- 鉋で削ることは予想以上に難しかった。
- 実際に体験することのすばらしさを実感した。
- すごく楽しかった。大工になりたいです。

初めての鉋削りに挑戦
教師
講師招聘のねらいと得られた効果
ねらい:
- プロの職人さんの精神と技に触れることによる、感動の体験。
- 大工道具の歴史と建造物のつながりをビデオで見て学ぶ。
効果:
- 研ぎ澄まされたプロの技の真髄をかいま見て、全員が感動した。
- 体験をして短時間でうまくなる生徒もいて、活気があり本当に有意義であった。
生徒が特に興味・関心を示した内容
- 職人さんの鉋削りの技を見た時と、実体験の鉋削りの作業。
教員の全体的な印象・感想・要望等
- 7月から学校の鉋20丁を磨いて頂き、そして本番の授業では、ひとりひとりの生徒に懇切丁寧に指導して頂いた。生徒がいきいきと鉋削りに勤しむ姿を見て感動した。改めて本物を見る事の大切さを実感した。

女性の大工さんに指導を受ける
社会人講師
生徒の反応、特に興味・関心を示した内容
- 講義やビデオは難しいためか、落ち着きがない様子だったが、鉋削りの実習になると、男子・女子関係なく夢中になっていたのが印象的であった。
今後の留意点と課題
- 大工の実演を見て、見よう見真似で鉋を使用していたため、間違った刃の出し方(ある意味これも良い体験にはなるが)、道具を足元に落とすなど少し危険な点も見られたので、今後簡単に使い方の説明も必要ではないだろうか。
全体的な印象・感想等
- 生徒たちのイメージから、実演・実技ともそれほど興味を持たないのではないかと思われたが、「薄い削りくずをだすぞ!」と夢中になる生徒がほとんどで一安心。
大工道具を使ったことのない世代に大工道具の使い方を伝えることは大変重要であると再認識した。